【祐俊←康】お鍋もぐもぐニッコリ俊介の件【SS】

2/12公式ツイにやられたやつです。
※エロ注意※
祐俊前提の2年組3pとんでもないおはなしです。


「あのさ、祐…」
約束の時間をとうに過ぎ、諒からの催促LINEに返信しながら、源宅へ急ぐ道中。
先頭を歩くのは先程から足取りの軽い俊介。
後ろに俺と康太が続く。
耳打ちするように話しだす康太に、前の男に聞かれたくない話なのだろうと察し、同じように声を潜める。
「どしたん?」
「俺、びっくりしたんだけど、俊介ってこんな顔するんだね…」
そっと胸元に差し出された画面は俺たちのツイッター。久々に康太が画像つきツイートをしたのか…って
「待って、なにこれ」
何気なくタップ拡大した画像を二度見する。そこには先程皆でもらったキティちゃん小鉢、を、片手に満面の笑みの、俊介。

「これ…ええー?」
「え、なんかマズかった?」
どうせノロケか軽口が返ってくると思っていたら、予想外に深刻な表情。
「ううん」
祐が険しい表情のまま俯く。

「こんな顔するんだね」って、そりゃ笑うことくらいあるけどさ。なんだこの無防備な笑顔。俺でも見たことないかも。いや、見たことない!
ふざけてじゃれあって笑わせることはできても、こんな笑顔はまだ見たことない。少なくとも自分に向けられたことはない。
別にこれだって、康太に向けられたものじゃなくて、大好きな女神・キティさんに向けられた笑顔だってわかってる。それなのに、むくむくと黒い感情が湧いてくるのはなぜだろう。

(ああ、これは嫉妬してるな)
祐の横顔から康太は瞬時に察した。
その嫉妬の矛先は自分か、キティさんか、俊介か、どこかしらに向けられるのだ。
祐が荒れる5秒前。
触らぬ神に祟りなしと言うけれど、神を触ったどころか揺すり起こしてしまったかもしれない。俺のバカ。深いため息をつく。

「俊介」
歩を速めて前を歩く男に追いつき、背後から右肩をぐいと引っ張り顔を近づける。
「あ?なに?」
鼻歌交じりの上機嫌でポケットに手を突っ込み歩いていた男は、突然肩を掴まれ怪訝な顔で振り返る。
「今、幸せ?」
「幸せだけど?」
怪訝な表情のまま返事をする。
「やっぱだめか」
「は?なに?」
写真の笑顔を、康太に見せた笑顔を同じように見れるかと少しだけ思ったが、やはり無理だった。分かってはいたが腑に落ちない。
もし自分にあんな笑顔が向けられたら、どうだろう。かわいい。かわいすぎる。守ってやりたい、ずっと頭を撫でていたい。めちゃくちゃかわいい。ずるい。見たい。

それから源家に到着するまで終始祐は無言だった。途中で異変に気づいた俊介が「何かあったのかよ」って声をかけてくれたけど、それも無視。
「拗ねるようなことあったか?」
あなたの笑顔が引き金です、なんて言えるはずもなく。
ただただ「さあ…」とお茶を濁すことしかできなかった。俊介も、いつもの気まぐれだろうと心配する素振りもなかった。

俺がもう少し頑張ってフォローすべきだったのだ。事態は悪化の一途を辿った。

ーーー

「なんか祐くん、変」
皆で楽しく鍋をつついている最中に、ふと諒が呟く。
「え?何がー?フツーだよ」
「うそ。嫌な顔してる。せんぱいのお鍋おいしくないの?」
平静を装って返事をする祐だが、それも不審に思った諒が深追いする。こういう時、自分なら「これ以上触ると怪我する」と引いてしまうのだが、諒は遠慮がない。
それは勇気なのか、純粋な興味なのか、いずれにせよ怖いことをするなあと康太は肩をすくめた。
「鍋はうまいよ、さいこー」
「よく気付いたな、西宮。俺は鍋のことしか見えてなかった。祐、何かあったのか?」
「会長、ほっといていいっす。さっきから理由も言わないで拗ねてるんすよ」
「拗ねてない」
「祐くん、それ拗ねてるって言う」
今の祐の状態は干渉されたくないそれなのだ。放っておけば自分で収めるものを、口々に触りに行く仲間たち。いつ爆発してもおかしくない祐を恐々見守ることしかできず、かと言って爆発されるのは困る…。
正しい判断をしかねた俺は、喉元まで出かかっていた真相をついに明かしてしまった。
「俺のツイートのせいで、」
皆まで言い終わる前に「ちょっと康太」と驚くほど乱暴に腕を引かれ、廊下に引きずり出されていた。

「痛った、何するんだよ」
「それはこっちのセリフじゃん、余計なこと言わないでもらえます?こーたサン」
腕組みをし、腹を立てているのだろう、顔をずいと近づけて睨みつけてくる。
「余計なことって…せっかく楽しい鍋なのに、雰囲気壊してるのは祐だろ。原因くらい言う権利は俺にもある」
「てか、それが原因とか言ってねーし」
「これが原因だろ」
こちらも腹が立つので、嫌がらせのように先ほどの画像を突きつける。
「…康太ってそんなやつだっけ」
「祐ってほんと嫉妬深いよね」
「は?」
「そんなんだから、俊介も心開いてくれないんじゃないの?ほら、俺には心許してるからこんな風に笑ってー」
売り言葉に買い言葉でまくし立て、さすがに言いすぎたと気が付いた時は後の祭り。
「ふざけんな」
自分より少し背の高い祐に胸ぐらを掴まれ、すごまれると少しこわい。と同時に、こいつ本当に俊介が好きなんだなあと感心する。そして自分も冷静ではない。本能的に、やられたらやり返してやろうと思った。
「ふざけてるのはそっちだろ」
胸ぐらを掴み返し祐の腕に噛み付いてやろうと動いた瞬間

「そこまでにしろ」

低く包容力のある声の主は、今日の会場の提供者でもある誠一郎。
ふと我に返り、人の家で何てことをしているのだと恥ずかしくなる。
「ご、ごめんなさい!」
咄嗟に祐から腕を離して誠一郎に頭を下げる。
いつもならこういう時は、2人揃って先生に怒られたいたずらっ子のように頭を下げるのだが、祐は
「ごめん会長、おとなしくします」
憮然とし、言葉のみの謝罪で席に戻った。

その後は、さすがの諒も「触るとキケン」だと理解したのか、その話題に触れることはなかった。
当の俊介はキティさんに囲まれて、終始ご機嫌。祐のことも、この期に及んでただの気まぐれとでも言うかのような放置っぷりだった。それが祐の心中をより悪化させているとも知らずにー…。

2人の関係を思えば、俺よりも互いを知っているはずなのだが、知っているからといってうまくやれる訳ではないということを最近理解してきた。
今回のことはまさにそうだ。俊介はこの通り、思いの外深刻な祐の状況に気づいていながら無視してる。面倒なのだろう。
祐の方は俊介の一挙一動とその理由はさすがによく分かっているようだが、今はとにかく嫉妬で何も見えなくなっている。

そして懸念していた祐の嫉妬の矛先は、多分おそらく、キティさんではなく俊介でもなく、とっても最悪なことに、俺に向けられた。

ーーー

温かい家で温かい鍋を楽しみ、諒は「用事があるからせんぱいの家に残る」と、先に3人で源家を後にした。
(最悪のメンツじゃん)
俺も諒と一緒に残りたかった。が、そんなそぶりを見せると諒が露骨に嫌な顔をしたので言い出せなかったのだ。

案の定、祐が近づいてきて小声で囁く。
「さっきの続き、どうする」
正直俺はもうどうでもよかった。2人の問題だろ、2人で解決してくれ!
…と言う訳にもいかなかった。俺が軽率だった点もいくつかはあるのだ。
「おい、祐」
答えあぐねていると、いつの間にか俊介が仁王立ちでこちらを振り返っていた。片手には、鍋セットの入った紙袋。
「康太に迷惑かけるんじゃねえよ」
「迷惑って、俺なんかした?」
「してるだろ。さっきから意味わかんねー、康太にまでヤキモチか?」
「違うし」

そう、康太にヤキモチを妬いている訳ではないのだ。
ただ、どうすれば俊介は自分にもあんな笑顔を見せてくれるのか。考えて考えて考えあぐねて、手詰まりを起こして絶望した。それでイラついている。それだけだった。
放ってほしいタイミングで諒に踏み込まれ、更に康太がカミングアウトし、感情の整理がつかなくなったのだ。
その結果、この苛立ちを何にぶつけていいか分からず、手近にあった康太にぶつけているのだ。

「康太、こいつほっといて帰ろうぜ」
「えっ、いや」
俊介が康太の腕を掴み歩き出す。わざとだろう。素直になれない2人の習性か、お互い火に油を注ぐような態度をよく取る。
お見事祐の怒りに引火。なぜ自分が置いていかれなければならないのか。なぜ康太の手を引くのか。なぜあの笑顔は俺じゃなく康太に向けられたのかー…

「俊介!」
夜道に響く大きな声に驚き、2人で後ろを振り返る
「うるせー、何…」
振り返りざまに視界が遮られ、康太の腕を掴んでいた手が引き剥がされる。一瞬のことで俊介は油断した。目の前には祐の険しい顔。
「夜道で壁ドンって、ロマンチックじゃねーな」
「ロマンチックってガラじゃねーくせに」
「お前よりマシだ、鍋パぶち壊し野郎」
「壊してねえし。一人でニコニコ鍋食ってたろ」
「悪いかよ」
「最悪だよ」

傍から見たらみっともない光景だ。夜道で見つめ合い罵倒しあう友人2人を、溜息を吐きながら見つめる俺。
「俺、帰っていいかな」
抜き足差し足でその場を去ろうとすると、険のある声に引き止められる。
「いい訳ないっしょ、なあ俊介」
「こいつが意味わかんねえから、もう少し付き合ってくれよ」
「は?意味わかんないのはお前だから」
「こいつがウゼーから付き合ってくれよ」
「このっ…」
いつもなら俊介は、祐に構わず俺を解放してくれるはずなのだが、どうも今日は違うらしい。2人とも頭に血が上ってる。黙って逃げればよかったものを、完全に巻き添えだ。後悔した。
「とりあえず、2人ともこんな所でやめなよ。近所迷惑だし誰が見てるかわからないだろ」

家に帰れば家人もいるしこいつらも大人しくなるだろうと計算し、3人で祐の家に向かった。
「あれ、家の人は?」
「由梨はたぶん寝てる。親は今日の晩から出張だから」
「え、そうなんだ」
玄関を開けるとしんとした空間に(やってしまった)と気づく。家なら家族の監視下のもと祐が暴れられない状況を作れると思っていたのに、完全に誤算だ。
俊介をチラリと見るが、当たり前のような顔で家人のいない家に上がりこむ。そりゃそうか、このくらい2人にとっては当たり前かー…。
いよいよ自分がここにいることがいたたまれなくなり
「じゃあ、ケンカの続きはお2人で…俺帰ろっかな」
後手にドアノブを回し、後ずさりするように家を出ようとしたが、同時に振り返った2人のすごい剣幕に引き止められる。
なんで、なんで俺が必要なんだよ!

ーーー

リビングで飲み物を取り、祐の部屋に腰を据える。
しばらく祐は膝を抱えて黙っていた。まずは自分で心の整理をしようと思ったのだろう。少し待てばいいものを、焦れた俊介が口を開く。
「いつまで女々しくしてんだよ」

女々しい。確かに今の俺は女々しい。しかし的を射ているからと言って呑み込める訳ではない。
「お前に女々しいとか言われたくないんですけど」
「は?どういう意味だよ」
「いっつも俺の腹の下でいい声で鳴いてるのは誰でしたっけ」
「は、お前…康太いんだぞ」
「そのくらい康太も知ってるよ、ねー?」

祐の露骨な性事情発言に、俊介が青くなって赤くなって祐に抗議する。あ、ちょっとかわいい、なんて俺でさえ思ってしまった。
俊介の狼狽に気づいたのか、祐が畳み掛ける。
「実は昨日もさー、なんか寂しいとかLINEしてきてさー」
「オレもう帰るわ」
怒り半分恥ずかしさ半分という顔で俊介が腰を上げようとした瞬間、 祐の腕がそれを引き止め俊介の体を引き寄せる。
「なーに照れてんの?全部本当のことじゃん。ねー康太、しゅしゅかわいくね?」
俊介が祐の腕の中で暴れながら俺に助けを求めているのが分かったが、昼間のあの笑顔から実は俊介に対する見方が変わりつつある俺は、思わず祐に同意してしまった。
「かわいいと思う、俺も」
「は!?」

絶対的に味方だと思っていた康太に裏切られ、思わず声が裏返る。
「やっぱりねー、まあ俺のだけど」
思考が停止し硬直している俊介の頬に、祐が音を立ててキスをする。
「あー、俺分かった。康太に嫉妬してんじゃなくて、俊介に腹立ってんだわ。こんなにかわいいのに自覚しないで、愛想振りまいて、あんなかわいい顔康太だから許せるけど、他所で見せたらどんなことになるか分からないっしょ。そういう無防備な所が心配だし、むかつく。俺以外に媚びてんのかよ?って感じで…」

祐にまくし立てられる最中、何か言いたげな表情で俯いていた俊介が、ついに祐の言葉を遮った。
「なに、オレは笑うことも許されねえの?」
「当たり前じゃん」
バッサリと返されて、返す言葉を失った俊介が俺にアイコンタクトで助けを訴える。
正直俺はどちらにつくつもりもなかったけれど、祐の責めに敵わない俊介が珍しくて、面白くて、可愛くて。祐がいつも言う「俊介がかわいい」の意味が分かってしまい、今は祐を応援していた。
(もうちょっと、俊介のいろんな顔が見たい)
俺のそんな心中を察したのか、味方を得たと祐が不敵な笑みを浮かべる。

「無防備は罪でしょ。俺以外に食べられちゃってもいいワケ?」
「物好きはお前以外にいねえよ」
「そんなことないよ。ねえこーたサン?」
祐の問いかけの意図が汲み取れなかった俺は、安易に返事をしてしまう。
「うん、そう、かな?」
「ってことで、俊介くん…お仕置きです」

言い終わるや否や俊介を床に押し倒し、その唇を貪る。キスの音ってこんなに響くのか。祐のことだからわざとかもしれない。
俊介は抵抗しているようだが、祐を引き剥がすことができない。明らかに体格では祐に勝っているはずなのに、不思議だ。きっと祐はそんなテクニックも持っているのだろう…
そんなことを考えながら、いけないものを見ていると頭で分かりながら、その場を動くことができなかった。
唇が離れると、すぐさま俊介が体を捩らせ祐の下から離れる。
「康太がいるだろ、頭、おかし…」
唇を拭いながら祐に抗議するが、見られた羞恥からかその頬は赤く染まっている。

「康太も手伝ってよ」
「…え」
何を?
「お仕置き。俊介の。」
「は?お前何言って…」
俊介の狼狽ぶりを見るに「お仕置き」は2人の共通言語でおそらく2人以外が踏み入るべきものではないのだろう。
俺は特別ご招待ってわけ?なんだかもう訳がわからなかった。俺にとっては良き友人である2人の関係は知っている。祐が俊介を。どうやって…そんなことを想像したことがないと言えば嘘になる。
そして、いざその行為を目の当たりにして、自分が少し胸を躍らせているのは事実。俊介がかわいいのだ。

「ほら早くこっち来て、俊介の後ろ」
誘われるままに俊介の背後に回ると、恨めしそうに睨まれる。
「こいつの言うこと聞いてたらバカになるぞ」
って、多分俺はもう半分バカになってる。
「そう思うんだけど…なんか、ね」
「こーたサンこーゆーの初めて?だよね。とりあえずしゅしゅに遠慮しなくていいからね」
「お前何考えてんの」
「んー、これって3Pってやつ?ヤバいね」
祐はすごい。
出会った時から(エロそうな奴だ)と思っていたけど、本当にその通りで一貫してエロい奴なのだ。こと俊介に関しては。今も心から楽しそうな顔をしている。
俊介も大変だ、と同情する。しかし今は俺もその祐に加担しているのだから申し訳ない。
「康太さん、しゅしゅが逃げないように捕まえておきなさい」
祐に言われるままに俊介を羽交い締めにする。
「康太、お前マジかよ」
「っ…ごめん、今度なんか奢るから」
「ほんと俺はいい友達を持ったよね☆」
先程までの不機嫌はどこへやら、上機嫌の祐が俊介の身体を撫で回す。その手つきのいやらしいこと。恥ずかしくて思わず目を背けた。
「こんなんで恥ずかしがってたら、こっから大変だよ?」
そんなことは分かっている。だけど、直視してしまったら…
また妖しい音が響く。祐の吐息と俊介の吐息。混ざっていやらしく耳の奥で響く。
「んっ」
俊介の小さな呻き声が聞こえ、恐る恐る目を開けると、白いシャツはたくし上げられ、胸の突起に顔を埋めた祐がピチャピチャと音を鳴らしている。
「っは…俊介、ココ弱いんだよね。康太、触ってあげてよ」

思わず溜飲が下がる。
祐による刺激で少し立ち上がった乳首がいやらしく俺を誘う。
触ったら、いやがるだろうか。俺でも、気持ち良くできるだろうか。
恐る恐る指を触れると、俺の指が冷たかったのか俊介が肩を震わせた。
その反応が堪らなくて、もっと反応を見たいと指で刺激を加える。
「んっ…ん、あっ…っ」
両方の乳首を同時に刺激してやると、快感に耐えられないのか固く噛んでいた唇を解いて喘ぎ声を漏らす。
その様子が堪らなくて、理性ってなんだっけ、もっと俊介を困らせたい。快感でおかしくしてやりたい。そんな衝動に駆られた。
「しゅしゅ、すげーよさそう…恥ずかしがってたくせにね」
祐の指が俊介の腹をなぞり、ベルトに手をかける。その先に待つ行為に俺は胸を躍らせた。

「コラ、邪魔しないの」
チャックを下ろそうとする手を必死で遮ろうと、俊介の左手が祐の腕を払う。結局抵抗も虚しく下腹部も露わにされる。
「おかしいって…」
俊介に同情しつつも助けてやらない俺は完全にワルモノだ。ごめん、俊介。
「こういうの、スゲー興奮するね」
「こういうのって…」
「俺だけのって思ってたけど、康太に触られて感じてる俊介、めちゃくちゃエロい」
「うん…エロいね」
俺が祐に同意すると、俊介が観念したようにため息をつく。
「ってことで、俺はガマンができません」
祐の腕が俊介の腰をぐいと持ち上げ自身に引き寄せる。
「お仕置きだから、ちょっと痛くていいよね?」
「まっ…それは嫌だ」
俊介が必死に腰を捩って逃げようとする。
「なんで嫌なん?」
「なんでって、康太、見てる」
「見せてるんじゃん」
「いやだ…っ」
俊介の抵抗も虚しく、俺からはよく見えないが祐の指は俊介のそこを捉えたらしい。
こんなにイヤイヤするんじゃ、後で俺も相当恨まれるだろうな、と少し後悔しはじめた。
「もういっか」
そこそこに指を引き抜き、祐自身のそれを当てがう。(祐って、でかいんだ)自分のそれより立派なものを見て、思わず感心する。なるほどいつも堂々としている訳だ。こういうことにも自信があるのだろう。
それにしても、そんなものをこの男は受け入れているのか。それの方が驚きで、興味と心配が入り混じった感情のまま俊介の表情を見守っていた。
「やっぱきついか」と言いながら侵入を進める祐の動きに合わせて、小刻みに規則正しい呼吸が吐き出される。必死に力を抜いているのか、これも慣れたものなのだろう。

「痛い?いけるっしょ」
「むり、抜けバカ」
息も絶え絶えに目を潤ませて悪態をつく俊介。なんだこれ、たまらない。祐はこんな表情を知っているのか。そういうことなら、あの独占欲も心配っぷりも頷ける。
「バカって言えるうちは大丈夫だ…ねっ」
祐の反撃。まだ半分入ろうかというところで一気に奥まで突き上げる。
「っ、ひぁっ」
「んっ…すげ…」
苦しいのか、快感なのか、俊介が眉根を寄せて肩を震わす。突き上げるとすぐに祐は律動を始め、俊介の口から堪えきれないのか再び喘ぎ声が漏れる。程なく頰も体もほんのり上気し、何かを掴もうと所在なげに両手が彷徨う。普通なら、祐の背中を掴むのだろうが、それをさせまいとしてか、祐は俊介に上体を近づけようとしない。
「なんかしがみつきたい?康太でも掴む?」

先程からバカの一つ覚えのように、執拗に俊介の胸を撫でていた俺に白羽の矢が立つ。
ちょっと体勢変えるから、と祐に促され、一旦俊介から離れる。
俊介が四つん這いになり、俺と向き合う。これもすごい絵面だ。
「康太…おまえ…」
後ろは祐に突かれ続け、息も絶え絶えに俺を見つめる。服の上からでも分かるほどに興奮している、俺の下半身に呆れたのだろう。
「なに?康太すごいことになってんじゃん」
「これは、その…」
祐が意地悪な笑みを浮かべる。
「俊介、康太楽にしてあげた方がいんじゃね?」
「…俺もそう思う」
「は!?えっ!?」
祐の発言は只の意地悪だろう。俊介のは何だ。祐に加担した俺への仕返しのつもりか。
器用にベルトを解き下着ごとズボンを下される。こんな手つきも祐に仕込まれたのかと思うと、祐への尊敬と呆れが尽きない。
「で、コレどーすんだよ」
「どーするって、しゅしゅが収めてあげないと」
自分で引っ張り出したものの、いざ目の前にすると恥ずかしいのか、俺の勃ち上がったそれに顔を背けて祐に指示を求める。助けて欲しいのはこっちも同じだ。
「いつも俺にするみたいに、お口でしてあげたらいいじゃん。ほら咥えて」
「なんでオレが」
「やらないなら、俺もやーめよ」
ズル、と自身を一気に俊介の中から引き抜く。そんなことくらいで俊介が素直に従うものか、と思ったのは束の間。なにも言い返さず、素直に俺のそれを掴み、口に含んだ。

そんなに、祐がいいのか。祐のソレが、好きなのか。
(すごい…)
ふたりの間には、俺にはわからない沢山の不文律があるのだろう。好きだ嫌いだとか、惚れた腫れたとか、そんな単純なものではない、長年蓄積された何かが。
そして生まれて初めての刺激に、耐性のない俺は容易にイかされてしまう。
「あっ…ごめん俊介…!」
俺が射精寸前だと見るや急いで口を離したが、遅かった。俊介は顔一面にべったりと、俺の精液を受け止めてしまった。
こんなこと、友達に…俺はなにをしているんだろう。申し訳なさと恥ずかしさで消え入りそうだった。
「別に、いい…けど、拭いて」
ティッシュを指差し顔を拭うよう促す。急いで拭ってやると「わり」と小さく呟く。
悪いのはこちらなのに。

「こーたサン、童貞にしてはよくできました、じゃん?」
祐に煽られて言い返す言葉もない。いろいろと疲れてしまった。後はこのまま、2人を眺めていようと思った。いや本当なら帰れよ、と思うけど。
「これ、お仕置きになってるかな?俊介気持ちいいことばっかりじゃね?」
腰の動きを止めずに祐が煽る
「康太、こっち虐めてやってよ」
祐が俊介を抱きかかえ、こちらに恥部がよく見えるよう開脚させる。
想像の域でしかなかった結合部が露わになり、その卑猥さに思わず視線を逸らす。
「エロいっしょ、しゅしゅ」
「エロいのはお前…だろ…っ」
息も絶え絶えに反論するが、そんな口答えは祐の加虐心をさらに煽るだけだ。
「ほら康太、ヒクヒクしてるそれ、擦ってあげて」

先程自分のそれを咥えていた友人だ。同じように仕返すくらいもはや抵抗はなかった。
祐の動きに合わせてヒクヒクと動くそれを掴み、上下に擦り上げると甘い声が漏れる。
「康太…やめ…あっ」
ギュッと目を瞑り快楽を堪える、その表情は俺の加虐心もくすぐる。そう、今なら祐の気持ちが痛いほどわかる。俊介はかわいい。すごくかわいい。
(もっと…良くしてあげたい)
先程敏感だと知った胸の突起を舌でコロコロと転がす。手は容赦なくヒクつくそれを擦り上げる。
「康太、すげっ…しゅしゅめっちゃ感じてる。すごい締め付けてくる…っ」
祐の言葉に自信付けられ愛撫に熱がこもる。
「こ…た、やめっ…イく…っ」
俊介の腕が健気に俺を押し戻そうとするが、力が入らないのか表面を滑るだけでまた元の場所へ戻って行く。
「あっ、あっ…っー」
ドロっと、熱い液体が俺の手を伝う。
「康太、手止めないで」
「え、でも…」
「いいから、動かして」
俊介はイったばかりなのに、まだ動かせと言うのだ。そんなの、俺だったら辛いと思うけどー…そんな俊介への労りより、興味の方が勝ってしまう。
「あ、ぅっ、やめ…っ、康太っ」
案の定辛そうな表情で、俺の手を止めるよう請う。
「祐が…お仕置きだって、言うから」
祐のせいにして、俺はやりたくないんだって顔をして、手の動きを早める。
「っ”…ん、おかしく、なるから…っ」
祐の律動も激しくなっている。耐えられないのか、整えていたはずの呼吸は乱れ、きちんと吸えているのか、ヒューヒューと絶え絶えだ。
それでも手を止められなかった。
「こ、た…マジ、やめ…っ、あ、オレ…っ」
「しゅしゅ、さっきから康太ばっかり呼んで…お前の彼氏は誰なん?」
「バカ、ゆ…っ、お前が…こんなっ、あっ」
奥深くまで突き上げる。汗と肉のぶつかるパンっという音が静かな部屋に響く。
「マジで、も…っ、おねが、やめっ…」
「んっ…俺も、そろそろヤバイ…すごい、いつもより熱いし、ヒクヒクしてっ…」
「あっ、ああああっ!」
声を小さく抑えることも敵わなくなった俊介の喘ぎ声が部屋に響く。
「イ…くっ」
そんな俊介の腰を力一杯引き寄せ乱暴に打ち付け、荒い音を立てた後、祐の動きは止まった。

俊介は祐に背中を預け、しばらく呆然と天井を見つめ呼吸を整えた。
「ごめん…大丈夫だった?」
野暮な問いかけだとわかっている。だが、一応友人として労らずにはおれなかった。
「大丈夫じゃ…ない」

「康太のおかげで、いいお仕置きになったっしょ」
祐が満足気に微笑む。
「無防備にしてたら、今度は康太じゃ済まないかもよ?ちゃんと自覚してよね、しゅしゅはかーわいいんだから。」
「可愛かった、俊介」
「お前らぜってー許さねえ…」
くったりとした表情と悪態があまりにも似合わなくて、祐と顔を見合わせて吹き出した。

ーーー

帰り道、夜道で一人今日の出来事を反芻し、とんでもない一日だったとため息をつく。
明日からまた元どおり、平然と、2人の顔を見れるだろうか?きっと2人にとっては些細なことなんだろうけど。
そもそもこんなことになった原因は、俊介の笑顔だ。俺が一瞬でもどぎまぎしてしまった、あの写真のせいだ。

今後もしまた俊介のグッとくる表情を撮ってしまったら、他人に見せず、祐に見せず、自分だけのものにしようと心に誓った康太だった。